かりんとの日記

主に映画について、たまに戯言をダラリと書きます。

隣る人

 こんばんわ、かりんとです。こないだのブログに星をつけてくれた方、ありがとうございます。更新が空きました。忙しかったのです(つД`)

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隣る人 ←映画のホームページです。

評価:☆☆☆(五段階評価中)

 これ、三年ぐらい前に観た映画です。確か香川県高松市にあるソレイユ2という映画館で。ちょっとマニアックなチョイスの上映をする映画館です。近所にあるマサラ亭というカレー屋さんが美味しいです。ちなみに映画館と同じビルにソレイユという名の喫茶店があります。漫画が山盛り置いてあります。入ったことがありませんが。

 話が逸れました。これはドキュメンタリー映画です。光の子どもの家という児童養護施設を8年間も撮ったそうで。タイトルの『隣る人』という言葉は、ココの創立者の造語です。

 

 児童養護施設は、何らかの事情によって家族と生活をすることができない子どもが育つための施設です。ここに来る子が失ったものは家庭的な環境と家族的な関係、つまり「居続ける人」を奪われたということだと考えています。僕は居続ける人のことを「隣る人」という造語で呼んでいます。「どんなことになっても、絶対に逃げないから大丈夫だ」、そう言ってくれる人が「隣る人」であり、それは誰にとっても必要だと考えています

 

 創立者の菅原哲男のインタビューから。自分の存在を真摯に受け止めてくれる大人がいるということは、子供にとってイチバン幸せなことなんだ、と言いたいのではないでしょうか?(・ω・ )

 そのさ、ここの職員がすごいんですよ。ただの職員ですよ。相手は自分の子供ではありません。でも、ずっと一緒にいるのです。朝起きてご飯食べて学校に送り出して、帰ってきたらお風呂入ってご飯食べて宿題見てあげてから一緒に寝る。それがほぼ毎日。お正月もいます。職員には帰る家はないのでしょうか?家族はいないのでしょうか?恋人とかもいないのでしょうか?

 子供たちの『隣る人』になる。その覚悟たるや。職員だから、諸事情で退職する人もいれば配置転換とかもあります。でも『隣る人』がいなくなるということは、子供たちにとっては親から引き離されるようなモノです。担当職員との別れのときはギャン泣きです。

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 そして担当だった女性がこう言います。「あの娘が新しい担当者とうまくいかないようだったら、私が引き取ります。養子にしてもいい。」と。そこまで言わせる彼女の強い想いはどこからくるのでしょう?

 ギャン泣きしてた女の子も、ヘコんでいたけど夜には元気になりまして。自らの置かれている環境を、自分なりに理解しようとはしているようです。その夜から、女の子は担当だった人が使ってた布団で寝ようとして、こう言います。「〇〇さん(前の担当)のにおいがする。いいにおい。これが世界でイチバン素敵なにおいだ。」このセリフに泣かされそうです。

 そばにいること。一緒にゴハンを食べたり、テレビを観たり、お出かけしたり。子供たちと向き合うって、そんなに難しいことではないかもしれません。でも、ずっと隣にいる覚悟は必要だからねぇ。子供のいないオレには、そんなことができるかどうかわかりません。想像もつきません。

 とてもいい映画でした。「楽しい」とか「面白い」というような映画ではなく、ちょっと人を選ぶかもしれないため、星三つにしました。でも、たくさんの人に観て欲しい映画です。ちなみにDVDとかは出さないんだって。監督の意向で。なので、今も自主上映会をやっているそうです。もし近くで上映している公民館等を見つけたら観ておきましょう。約束ダゾ(`・ω・´)