かりんとの日記

主に映画について、たまに戯言をダラリと書きます。

三度目の殺人

 こんにちは、かりんとです。

 今日のお題の映画は『三度目の殺人』です。2017年9月に上映された映画。是枝裕和監督のオリジナル脚本で描いた法廷サスペンス映画です。

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 先週の土曜日、映画館で観ました。この日は『ダンケルク』や『散歩する侵略者』と注目されている新作が上映された日です。どれを観ようか悩みましたね(;-`ω-)

 監督は是枝裕和。是枝監督作品は『そして父になる』から映画館で欠かさずチェックしています。逆に、それよりも前の作品は観たことないです。観たいけど、時間がないなぁ。観ていない作品でイチバン気になるのは『誰も知らない』ですね。

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  主演は福山雅治。あと役所広司と広瀬すず。福山雅治と広瀬すずは前にも是枝監督作品に出演していましたね。役所広司はどうなんだろう?

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 役所広司が出演する殺人事件の話なので、「黒沢清監督の『CURE(キュア)』を是枝監督が作るとこの映画になる。」と映画公開前にインターネットの記事に書かれていました。そんな安易なモノじゃないと思いますが。

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評価:☆☆☆☆(五段階評価中)

 重々しい雰囲気を感じる映画ですが、いつもの是枝監督作品の手触りを感じました。当然、『CURE(キュア)』とは全く違いましたね。ちょっとそこらも期待したのですが。やっぱり黒沢清監督作品とは全く違う手触りです。わかりやすさでいえば、是枝監督作品でしょう。

 冒頭にて法廷サスペンス映画と書きましたが、映画を観たあとはちょっと違うと思いました。法廷心理ドラマというのも、ちょっと違う気がします。

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(C)2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ

 オレが思うに、この映画はお仕事映画なんですよ。「弁護士が殺人事件の加害者の弁護をすることになった場合はこんな風になりますよ。検察官や裁判官とのやり取りはこんな風ですよ。」というのを描いた映画だと思います。

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(C)2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ

 映画では、加害者の役所広司の供述が二転三転し、被害者の家族の隠された事実が判明したりもします。

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(C)2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ

 ここらが映画が終盤に差し掛かってくるにつれ、物語のキーになるかと思ったら、そうでもなかったり。深く絡まることもなく映画は終わります。観終わった後に「そこは放ったらかしでいいのかい?」という気持ちが残ります。

 なので「本当は役所広司が犯人じゃなくね?」みたいな疑問も。ネットでの感想コメントにも「で、真犯人は誰?」というような書き込みが多く見えましたね。

 でもね、この映画において本当に役所広司が犯人かどうかはどーでもいいんです。だってお仕事映画なんだから。「弁護する加害者の供述が変わりましたね。こういうときの法廷の流れはね、こんな風になるのですよ。」というのを見る映画なのですから。そうやって考えると、モヤモヤしていたところが、かなり解消されると思います。

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(C)2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ

 広瀬すずの演技が良かったですね。今まで明るい女子高生役が多かったのですが、陰のある女子高生も上手く演じています。ちょっとふっくらしているように見えたけど、わざと太ったんじゃないのかな?

 色々考えさせられる映画でした。人を裁くことの難しさ、とか。弁護士の考え方や法廷での流れについては、ある程度は仕方がないんじゃないかなぁ?「勝つことにこだわる弁護士」とあるけど、勝つ気のない弁護士なんて存在する意味ないし。法廷での流れだって、時間がかかる=お金がかかるのですから延々とやってられないし

 なかなか興味深い映画でしたよ。ただ、もう一度書きますが、お仕事映画ですから。サスペンスの部分は期待しないで観に行きましょう。