かりんとの日記

主に映画について、たまに戯言をダラリと書きます。

リンカーン

 こんにちは、かりんとです。一昨日のブログに星をつけてくれた方々、ありがとうございます。

 今日のお題の映画は『リンカーン』です。2013年に公開された映画。第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンの伝記映画です。

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www.foxmovies.jp

 映画館で観ました。意外とカップルが多かったけど、何でだろう?まさか、お笑い番組のリンカーンと間違えてないよね?あの番組、観たことないけど。

www.tbs.co.jp

 監督はスティーブン・スピルバーグ。この企画を十年以上前から温めていたとか。主演はダニエル・デイ=ルイス。主人公のエイブラハム・リンカーンを演じ、第85回アカデミー賞で主演男優賞を獲りました。

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 この人、神父さんをボーリングのピンで撲殺する映画にも出てましたよね?あれでも主演男優賞を獲っていたような。そのワリには、あんまり映画に出ていないんじゃない?舞台がメインの俳優さんかな? 

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評価:☆☆☆(五段階評価中)

 この映画、偉大な大統領の生涯と南北戦争を描いた作品、ではないです。ゲティスバーグの演説も奴隷解放宣言も出てこないです。「人民の人民による人民のための~」のくだりも「ああ、そんなことあったよね。」ぐらいでスルーされます。そこらはあんまり重要じゃないみたいで。

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(C)2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION and DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC

 この映画で描かれるのは、合衆国憲法修正第13条をめぐる政治劇です。条文の内容は奴隷解放宣言の法制化。この憲法改正案を通すための、リンカーン達の裏工作が描かれています。

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 そのためなのか、最初にスピルバーグが出て「日本のみなさん、リンカーンって人がいて、その人が奴隷解放宣言やって、うんたらかんたら。」と説明してくれます。リンカーンのことをあまり知らない人でも映画が理解できるよう、スピルバーグの優しい気配りです。というより、余計なお世話。この映画を観に来た人は、その程度のことぐらい知っているって(´Д` ) 

 憲法改正には、総議員の三分の二以上の賛成が必要。リンカーンが属する共和党員だけの賛成票では足りず、民主党のメンバーにも協力してもらわないといけない。そのため、彼らの懐柔に奔走します。

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(C)2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION and DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC

 でもね、この映画のリンカーンって、そんなに動き回っているように見えないのですよ。逸話や小話ばっかり喋るうんちくオヤジになってます。家にはヒステリーな妻が。上の息子は「戦争に行きたい!」と駄々をこねる童貞臭のする若造。外でも家でもメンドくさい思いをするリンカーンさん。ちょっと可哀想です(´・ω・`)

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(C)2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION and DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC

 リンカーンよりも、この映画で注目すべきはトミー・リー・ジョーンズでしょう。宇宙人ジョーンズでおなじみの。この人が映画終盤でとる行動がとてもいいんです。ホロリときます。アレはいいシーンでした。

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 この映画、160分と長いんですよ。しかも、淡々と話が進むので眠くなります。てか、途中30分ぐらい寝ちゃいました。それでも話についていけるほどに展開が遅いのです。まぁ、スピルバーグの歴史モノは基本どれも長くて展開が遅いのですが。「丁寧な話運び」とも言えますけどね(;´ω`)

 あとね、字幕の日本語訳の表現が柔らかいです。オレの拙い英語聞き取り能力でもわかりましたよ。法案に反対する議員はもっとヒドいことを言ってたハズです。「黒人は神から不平等に造られた生き物だ。」とか言ってなかったっけ?そこらを忠実に翻訳して、その時代に存在した差別意識をもっとリアルに表現しないと映画の真意が伝わらなくない?

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 映画そのものは悪くなかったと思います。前日によく眠れて集中力の高いときにもう一度観たいですね。観てソンはない映画だと思いますよ。