かりんとの日記

主に映画について、たまには戯言をダラリと書きます。

羊の木

 こんにちは、かりんとです。2月11日のブログに星をつけてくれた方、ありがとうございます。

 今日のお題の映画は『羊の木』です。2018年2月に公開された映画。山上たつひこ原作・いがらしみきお作画の同名コミックを実写映画化した作品です。

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 映画館で観ました。平日の夜に。お客さんは少なめ。番宣をたくさんやっていたワリには注目度が薄いのね。

 監督は吉田大八。代表作に『桐嶋、部活やめるってよ』『紙の月』『美しい星』など。最近、ビックエイトと呼ばれているそうです。てか、自分でもそう公言しているみたいで。どこの高校生だよ(;´ω`)

 主演は錦戸亮、木村文乃。オレの経験上、ジャニーズが主演の映画に当たりはないですね思いっきり偏見ですけど。でも、吉田大八監督なら何とかしてくれる、ハズ。

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 予告編を観たところ、重ためのサスペンス映画に感じました。この設定だと、元殺人犯が次々と殺人事件を起こす、という展開にはしないだろうなぁ。そんな映画にしたら、殺人犯はケダモノと同じで更生の余地はない、と言ってるのと同じになるし。それは、罪を犯した者への更生の道を否定することにもなるし。こんな難しい題材で、どう話を転がしていくのだろう?

評価:☆☆☆(五段階評価中)

 そんなに悪くはなかったです。良いとも言えないのですけどね。吉田大八監督作品が持つ、不穏でイヤーな雰囲気が漂うところは相変わらず。そこが結構好きだったり。

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(C)2018「羊の木」製作委員会 (C)山上たつひこ、いがらしみきお/講談社

 物語のシチュエーションは興味深く、語りたいテーマもよく理解できました。でもね、ハッキリ言って食い足りないです。美味いんだけど、ものすごく薄く切られた刺身を食べているみたい。こんな例えで伝わるかしら?(・ω・`)

 殺人犯が六人も田舎町に住んでいるのですよ。そいつらが思ったほど絡まないのです。そこから緊迫感のあるストーリーが生まれてくると思っていたのに。いくら田舎が舞台だからとはいえ、ちょっとほのぼのしすぎです。ヒリヒリした空気が漂う場面も欲しかったなぁ。

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(C)2018「羊の木」製作委員会 (C)山上たつひこ、いがらしみきお/講談社

 六人の犯罪者もね、それぞれ個性溢るるキャラなのはわかります。ただ、俳優の演技の突飛さは目立つけれど、そこから先へキャラを深掘りしないのですよ。優香のスキのあるエロさ、北村一輝の邪悪さ、水澤慎吾のまじめさで抑えられている暴力性など、いい演技で表現する役者さんがいっぱいいたのに。もうちょっと味あわせて欲しかったなぁ。でも、あのテのキャラの松田龍平はもう飽きた

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(C)2018「羊の木」製作委員会 (C)山上たつひこ、いがらしみきお/講談社

 舞台になる魚深市もねぇ。何というか、興味のわかない町なのですよ。六人の殺人者の住む場所、魚深市役所、商店街、漁港、崖、錦戸亮の住む家、バンドの練習場。何度も映されるここらの場所の位置関係がわかりづらいの。ここらはさぁ、例えば、漁港からこの道を通ると誰々の家に着くとか、そういうのが欲しかったですね。この辺りの表現は是枝裕和監督が上手だと思います。

 地元の神様の『のろろ様』も、もうちょっと説明が必要だったんじゃない?口頭だけで説明するのではなくて、まんが日本昔ばなしのようなアニメを挟んでみるとか。ラストまで絡んでくるのなら、もっと丁寧に説明しないと観ている人はワケがわからないよ。

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(C)2018「羊の木」製作委員会 (C)山上たつひこ、いがらしみきお/講談社

 あと、あのバンドって意味があったの?たぶん、意味はないと思うけど。そのシュールさは、結構好きですがね。それと、松田龍平が言う「ともだち」というセリフ、あれがとても薄っぺらく聞こえてしまって。取ってつけた感があるんですよ。アレって何とかならなかったのかなぁ?

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(C)2018「羊の木」製作委員会 (C)山上たつひこ、いがらしみきお/講談社

 この映画、元殺人犯を三人ぐらいに減らして、キャラをもっと深掘りしていったほうが良かったんじゃなくて?それか、『0.5ミリ』みたいに200分ぐらいの上映時間にして、一人一人のドラマをじっくりと撮っていくか。後者の方が食い足りなさを補ってくれそうだね。メジャー系の映画でそんなクソ長いのを撮らせてはくれないと思うけど

0.5ミリ [DVD]

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 文句ばっかり書いていますが、優香がエロかったことと、やっぱり吉田大八監督が撮る映画の雰囲気は好きなので星三つで。木村文乃は今回も気の強い女性の役ばっかじゃね?この映画では、優香に完全に食われてましたね。オレ的には『紙の月』みたいなヒリヒリした映画がまた観たいのですが。今の吉田大八監督の方向性、あんまし好きじゃないなぁ。もしかすると、色々と模索中なのかも。良い方向に転んで欲しいね。まぁ、何だかんだ言いながらも、次回作が楽しみな監督さんの一人です(^ ^)