かりんとの日記

主に映画について、たまに戯言をダラリと書きます。

イット・フォローズ

 こんにちは、かりんとです。

 今日のお題の映画は『イット・フォローズ』です。2016年に公開された映画。低予算ながら斬新なアイデアで各著名人から称賛され、全米で話題を呼んだホラー作品です。

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 PlayStation Storeでレンタルして観ました。ホラー映画です。ホラー映画は苦手なのですが、とても評判がいいそうなので観てみることに。

 監督はデヴィット・ロバート・ミッチェル。聞いたことのない名前。出ている俳優も知らない人ばかり。そんな無名監督と無名キャストによる超低予算映画だったので、アメリカでは大した宣伝もされずに公開されました。それが「とにかく怖い」という口コミが広がって大ヒットに。これってアメリカン・ドリームというヤツ?

 ちなみに、イット(it)には鬼ごっこの「鬼」という意味があるそうです。去年公開された『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のイットも同じ意味があるようで。オレらの思う「鬼」は形がハッキリとしていますが、アメリカ人の思うイットはどういうモノをイメージしているのだろう?日本人の「鬼」とはかなりかけ離れている気がします。

ichiyos11.hateblo.jp

評価:☆☆☆☆(五段階評価中)

 ホラーの苦手なオレですが、それでもなかなか楽しめました。うん、コレは口コミで大ヒットしてもおかしくないでしょう。

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(C)2014 It Will Follow. Inc,

 とても静かな映画なのです。音楽はあまり流れないし。セリフも少なめのような。多くを語らない映画です。主役の女の子の名前も「ジェイ」としか呼ばれないし。それ、名前の頭文字だけでフルネームじゃないでしょ?

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(C)2014 It Will Follow. Inc,

 ジェイはそこそこ大きな家に住んでいます。母親がいるっぽいけれど、何か様子がおかしいです。父親じゃない男と会っているようです。父親の姿が見えないので、離婚したのでしょう。女の子の冷めた気だるい態度から見て、大人に対する不信感と同時に、早く大人になりたいと焦る気持ちも感じられます。ここまでの事が、説明セリフが全くなくて映像だけの情報で伝わってきます。ここらの構成がものすごく上手です

 音楽少なめ。セリフも少なめ。それでもって、何かが自分を殺しに静かにゆっくりと近づいて来る。うん、それは怖いとにかく怖い。撮り方だけで恐ろしい雰囲気をバッチリ醸し出した監督の腕前は素晴らしいと思います。

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(C)2014 It Will Follow. Inc,

 この映画を撮ったデヴィット・ロバート・ミッチェル監督は「これは生についての映画で、死と愛とセックスが絡み合った物語だ。」と言ってました。映画評論家の町山智浩さんの本にそう書いてありましたけど。

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 うーん、オレは「愛」という部分はあまり感じられなかったなぁ。主人公の女の子が本当の愛に気づいていく、という風に町山さんは書いていたけど。あのセックスシーンから「本当の愛」のようなモノは感じられなかったよ。だいたい、童貞ボーイと経験少なめの女の子のセックスの体位が騎乗位なんてどうなの?慣れている者同士ならまだしも、さぁ。

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 あの騎乗位の女の子の動き、やたら作業的なのが気になりました。張り切って童貞を捨てにきた若僧を適当にあしらうベテランソープ嬢のようにも見えました。あそこからは愛は感じられなかったなぁ。ただ「それ」を移したいだけ。結局、彼女自身が「イット」なんじゃないかと感じましたね。

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(C)2014 It Will Follow. Inc,

 まぁ、音楽少なめでセリフも少なめの映画ですから。こうやって色々考える余白がたくさんあるのは、とてもいいですね。面白い監督が出てきました。次回作にも期待大です。