かりんとの日記

主に映画について、たまに戯言をダラリと書きます。

アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル

 こんにちは、かりんとです。

 今日のお題の映画は『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』です。2018年5月に公開された映画。アメリカ人のフィギュアスケート女子選手として初めてトリプルアクセルに成功したトーニャ・ハーディングのスキャンダラスな半生を描いた映画です。

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2018/11/21
  • メディア: Blu-ray
 

 映画館で観ました。お客さんは少なめ。だいたい、彼女のことを知っている人って、アラフォーから上になるんじゃない?限られた年齢層を狙った映画になりますね。そう考えると、よくこの企画が通ったなぁ。

 監督はグレイク・ギレスビー。聞いたことのない監督。『ラースと、その彼女』という映画を撮った監督だそうで。ライアン・ゴズリングが主演。この映画を観たことはないのですが、あらすじを読んだところ、ライアン・ゴスリングのキチガイ演技が味わえる映画のようです。時間ができたら観ておきたい映画のひとつです。

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 トーニャ・ハーディングを演じるのはマーゴット・ロビー。パツキンのキレイな女優さん。この映画のためにフィギュアスケートの猛特訓をしたとか。でも、スケートの試合をしているシーンは代役を使っているんだって。「無理をしないようにした。」とパンフに書いてありました。それに、トリプルアクセルはできる人が世界でほんの数人しかいないので、そのシーンはCGでうまく誤魔化しているそうです。まぁ、それは仕方がないよね(・ω・`)

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評価:☆☆☆☆☆(五段階評価中)

 面白かったです。かなり面白かったです。トーニャ・ハーディング、彼女の元夫、彼女の母親の三人にインタビューをしていく流れで話が進んでいきます。

 もうね、最初っからブッ飛ばしています。母親が強烈なのです。いつも煙草を吸っていて、娘に罵声を浴びせ、周りにも悪態をつくトンデモナイ母親です。『スリー・ビルボード』の母親も強烈でしたが、オレ的にはコチラのほうが上手だと思います。

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 そんな母親に育てられたトーニャですから。性格のキツイ女の子に育ちます。試合で採点に納得がいかないと審判にガンガン文句を言います。負けん気の強い女の子というか。トリプルアクセルにチャレンジしたのも、「自分の演技が正当に評価されないのならトリプルアクセルを成功させてイヤでも認めさせてやるぜ!」というのが目的だったそうです。

 でも、この時点でトリプルアクセルを成功させているのは伊藤みどりだけです。そして、先述したように現在でもあの技ができるのは世界で数人しかいません。その理由は、チャレンジするにはかなり危険な技だからです。映画でも「トリプルアクセルにチャレンジするだなんてアタマおかしい。」と言われていました。それを見事に成功させたトーニャ・ハーディングは、このことだけでも偉大な選手と断言できるでしょう。

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 もう一人、インタビューされるのはトーニャ・ハーディングの元夫。パッとしない男ですが、すぐにブチ切れて暴力を振るうDV旦那です。彼がナンシー・ケリガン襲撃事件の主犯のような扱いをされていますが、襲撃を計画したのは元夫の友人、襲撃をしたのはその友人の知り合い。元夫の友人がなかなかのキチガイです。とても実在の人物とは思えないのですが。まぁ、何と言うか、類は友を呼ぶってヤツでしょうかね(@_@)

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 で、この三人がそれぞれインタビューを受けながら物語は進んでいきますが、三人とも言うことが違っています。トーニャ・ハーディングは「母親から度重なる暴力を受けた。」と言いますが、母親は「厳しく育てたが、暴力は振るっていない。」と言いますし。「元夫からも度重なる暴力を受けた。」とも言いますが、元夫は「全くしなかったわけではないが、トーニャのほうがもっとひどかった。」と言い返しますし。ナンシー・ケリガン襲撃事件についても、トーニャと元夫の証言は食い違いがいくつもあります。

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 その食い違う証言の中から、どれが正しいのかを探るのではなく、その証言をそのまま生かして話が進んでいきます。食い違う証言が同時進行しながら物語が進んでいくのです。このコミカルさを感じさせる映画の構成、オレはとても楽しかったです。

 文句もいくつかありまして。あの当時、20歳そこそこだったハーディングをアラサーのマーゴット・ロビーが演じるのはちょっとキツいですね。もっと若い女優さんのほうが良かったと思うけど、それだとハーディングを演じ切るのは難しい気もするし。あと、リレハンメル五輪の靴紐騒動の話はあんまり面白くなかったです。前代未聞の出来事、だそうですけど。

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 とりあえず、付き合う相手はよく選ぼうということですね。この映画から得られた教訓です。今まで観たドキュメンタリー形式の映画の中ではダントツで面白いと思います。ただ、ハーディングについて全く知らないと厳しいかな?興味が少しでもありましたら、ぜひ観てみてください。ソンはさせませんよ。超オススメです!