こんにちは、かりんとです。
雑記です。そして昔話。もうおじいちゃんですから。
その昔、地元に「エチオピア饅頭」という食べ物がありました。
過去形なのは、2013年の5月いっぱいでお店がなくなってしまいましたので。
商品名だけを聞くと、「何ソレ?」と思う方がほとんどでしょう。そりゃそうだ。
エチオピア饅頭は高知県香南市野市町の近森大正堂という菓子店で販売されている和菓子。地元特産の黒糖、白下糖を使ったこしあん饅頭です。
味?まぁ、普通だね。すんごく美味しいってワケでもなく。
では、何でエチオピアなのか?
これは近森大正堂の創業者まで話が遡ります。
この饅頭、当初は普通に『のいち饅頭』として売られていました。作られたのは大正八年、1919年です。
それから十数年後、1935年10月にエチオピアがイタリアの侵略を受けました。
当時のイタリアは、ムッソリーニ首相がファシズムを推進しており、エチオピアの植民地化を意図しての侵攻でした。
イタリア軍の繰り出す近代兵器に対し、エチオピア側は地方の豪族たちが連携して抗戦しました。
その勇敢な戦いぶりをニュースで知った主人はとても感動しました。
そして、このエチオピアの名に敬意と賞賛を込めて、愛する饅頭に名づけ『エチオピア饅頭』と改めたのであります。
というコトなので、
高知とエチオピアとの間には、縁もゆかりも無いワケでして(・ω・`)
それでも、テレビ番組で同店を知った当時の在日エチオピア大使マハディ・アーメッド大使が1996年と2000年に来店しました。
それから後、この饅頭はエチオピア公認となりました。遠い高知の小さな菓子店が、ですよ。地味にスゴイ?
でもね、3代目のご主人が2013年にがんで亡くなりまして。製造をほとんどご主人がやっていましたから、もう同じ味を出すことが難しい、というコトで。
こういうの、いいね。こんな田舎にだって歴史アリです。
もう食べることができないのは残念だけど。とはいえ、あってもそんなに食べたりしないか(・ω・)