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かりんとの日記

主に映画について、たまには戯言をダラリと書きます。

セッション

 こんにちは、かりんとです。

  今日のお題は『セッション』です。2015年に公開された映画。デイミアン・チャゼル監督の名前が一躍有名になった、いわゆる出世作の映画です。

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 Netflixで観ました。主演はマイルズ・テラーとJ・K・シモンズ。どっちもあまり観たことない役者です。J・K・シモンズは最近の映画でよく観ますね。『ラ・ラ・ランド』に出てたし『ザ・コンサルタント』にも出てたし。デンゼル・ワシントンと年齢が同じみたいです。属性が違いすぎるので、比べるのもアレなんですが。

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評価:☆☆☆☆☆(五段階評価中)

 面白かったです。たしかに「凄いモノを観た!」と思いました。でも、他のみんながいう「凄いモノ」とはちょっと違います。何というか、こんな凄いスポ根映画とは思わなかったです。しかも、島本和彦のスポ根漫画ですよ。島本和彦がジャズを題材にして描いたスポ根漫画を実写映画化してみました、という感じです。ジャズでスポ根って意味わかりませんが(・ω・`)

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 島本和彦の漫画の登場人物って、感情移入できないヤツばかりなんですよ。出てくるヤツらのほとんどが性格に問題があります。この映画も感情移入できるキャラなんていません。J・K・シモンズが演じる鬼教師フレッチャーは当然そうだし、生徒のアンドリューにも共感できません。強いていえば、アンドリューのお父さんはマトモそうかな?映画館で勤めていたアンドリューに捨てられる女の子も大丈夫そう。

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(C)2013 WHIPLASH, LLC. All Rights Reserved.

 そう、主役の二人の性格に問題がありすぎでして。まずはフレッチャー。生徒に厳しいレッスンを行いますが、そのレッスンで精神を病んで自殺した生徒を「交通事故で亡くなった。」と誤魔化したり、それを理由に学校を解雇されたら「お前がチクったんだろう?」とアンドリューにイヤガラセをしたりします。乱暴な教え方するワリには、ケツの穴が小さいヤツです。

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 そして、アンドリュー。フレッチャーに師事しながら、大事なところで遅刻しやがります。しかも二回も。その二回目にやった発表会の遅刻は、完全に自分のせいなのに逆ギレしてフレッチャーに殴りかかる始末。発表会を台無しにされたフレッチャーとその生徒たちが可哀相すぎです。発表会の騒ぎで退学処分を受けた後、フレッチャーの過酷なレッスンについて学校にチクったのもコイツでしょう。

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 そのクセ、学校を解雇されたフレッチャーに「新しいバンドを作ってライブをやる。そのバンドに参加しないか?」と誘われたらノコノコついていきます。しかも、浮かれて自分が捨てた彼女に「オレのライブを見に来いよ。」と誘うし。まぁ、そんな男についていくようなバカな女はいないワケで。アンドリューは見事にしっぺ返しを喰らいます。半泣きになったアンドリューの顔を見たときは「ザマーみやがれ!」という気持ちでした。こんなにノレない主人公も珍しいです。

 フレッチャーの教え方についてですが、教え方が厳しすぎとか酷すぎるという声を聞きます。でも、スポーツや芸事を習うなら、あんな対応はザラにあることでして。さすがにイスが飛ぶのは酷すぎですけど。 

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 でも、そんなドSレッスンに対して、アンドリューもまんざらではなかったと思うんですよ。「認めさせてやる!」と燃えていましたし。教えるフレッチャーの方も、アンドリューがレッスンに必死で食らいつこうとするのが嬉しかったと思います。何というか、二人がイチャイチャしているようにも見えましたから

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 もし教師役が同じハゲキャラのジョン・マルコビッチだったら『アートスクール・コンフィデンシャル』のときみたく、ホモホモしい展開になっていたでしょう。アブナイアブナイ(-o-;)

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 それと、この映画のアオリ文である「ラスト9分19秒、映画史が塗り替えられる!」について。たしかに凄いけど、映画史が塗り替えられるほどでもないです。このシーンって、今までアンドリューがフレッチャーから受けたイジメに近い厳しいレッスンと、それについていくために自分を追い込んで磨いたドラムさばきの技が、今ここで大解放される瞬間なのです。つまり、怒涛の必殺技ラッシュの時間です。だからスポ根映画なのですよ。異論は認めません(`・ω・´)

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 あとね、この映画に対して「ジャズに対する愛が感じられない」との批判がありました。うん、そんなのあるわけないでしょう。何せ、この映画ではジャズの良さについて全く語っていません。別に題材がジャズじゃなくてもよかったワケですね。チャーリーがどうのこうのと言ってましたが、そこらも「とりあえずチャーリー・パーカーの名前を出しておけばジャズ好きが喜ぶんじゃね?」感が漂っていましたし。 

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 それに、ジャズに疎い人にとっては「チャーリー・パーカーって誰?」なんですよ。チャーリー・パーカーについて映画ではあまり語られなかったのですが、懸命な処置だと思います。知らない人に対してイチから語ったところで時間のムダですから。プロレスファンじゃない人にカール・ゴッチの偉大さを理解させようとするようなモノです。不毛な行いですね。

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 色々と語れる映画でした。よくある音楽をテーマにした映画だと思って観たら面食らいますよ。「音楽の素晴らしさ?何ソレ??」って感じだし。この映画を観てジャズドラムがやりたいとは微塵も思わせない内容ですから。合わない人には全く合わないと思います。でも、今までにない、かなり変わった映画です。観たことのない人は、ぜひ一度はご覧あれ。オススメですよ!